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「横浜高校より弱いじゃないか!」というヤジ?そんなことベイスターズファンはいつも思ってるよ。

 8月15日、かつて日本の歴史を大きく動かした日にちである。人は泣き、うろたえ、先の見えない今後に呆然とするばかりだったかもしれない。絶望のあまり自殺を図ったこともあったであろう。そして今年その日は再び悲劇の日となった。横浜市民にとって。
 
 甲子園3回戦、9回の表、4-1でリード。多くの人々が横浜高校の勝利を予想したであろう。しかし柳君がヒットを打たれ、投手交代。相馬君が打たれ、春のエースだった山内君まで引っ張り出しまたもや打たれ、あれよあれよと8失点。私のように横浜高校を応援するものばかりでなく、驚いたに違いない。私は移動中でラジオで聴いていたが、逆転された瞬間に憤りのあまりにラジオのスイッチを切った。これが王者たるチームか。これが神奈川を代表するチームか。

 横浜高校は勝って嬉しいとか、負けて悔しいとか、今年は強いだの弱いだの、そのような次元のみで語るチームではない。松坂大輔、鈴木尚典、多村仁、涌井秀章、成瀬善久、高橋健、などなど名選手を生み続けている高校なのだ。そう、強かろうが弱かろうが、誇り高くなければならないのである。9回の表に逆転されることもあるだろう。しかし歯止めもきかず、プライドなく8点もあっさりと献上するとは何事か。さらにその後に再び智弁学園を追い込むこともなく負けてしまうとは何たることか。さらに聞いた話であるが、今年は逆転されて試合が終わったわけでもないのに選手は涙を流していたという。情けないあまり。慙愧にたえない思いとはまさにこのこと。彼らの誇りを疑いたくなった。

 とはいっても数日経てば落ち着くものである。選手達が9回に気を抜いたとか本気でなかったとは思わない。理由を見つけようと思えばさまざまなことを理由とできる。柳君の体力がもたなかったから?渡辺監督の投手起用?替わった投手達のメンタルの問題?いずれも、と言えるし、いずれも違う、ともいえる。ま、とりあえず智弁の選手達には拍手を送るべきなのだろう。

 年を取るごとに思うが、物ごと何が左右するかと言うと、<準備>に思えて仕方ない。物質的なものにおいても、精神的なことにおいても、結局は準備が全てなのではないか。失敗をする、怪我をする、アクシデントにあう、そういったことに無理やり理由を見出そうとすると(もちろん上記のように絶対的な理由というものは誰にもわかりえないけれど)大抵の場合は準備不足であるように思えてしまう。横浜の投手があと一秒長くストレッチをしていたら、ちゃんとパウダーを指につけていたら、とあるピンチで打者を迎える前にちょっと仲間同士で話す時間を設けていたら。そのようなことが試合結果を変えていたかもしれない。「些細なこと<も>大事」なのではなく、「些細なこと<こそ>大事」なのである。昔はそうでもなかったかもしれないけれど、最近は「些細なことは気にするな」みたいな言葉は信用できませんね。過去の些細なことを気にしないのは自由だけれど、未来に向けて些細なことを気にしないのは精神の怠惰にしか思えない。普通に見えて偉大なもの(概して偉大なものとはそういうものだけど)というのは些細なところで充分な準備が行われているからである。まあ、これは私が個人的に思う事。横浜高校の選手達は智弁の選手達より準備が不足していたのではないか、と。

 以上を以って横浜高校の来年の奮起を祈る言葉にかえさせてもらう。2年生達はこの悔しさを来年に生かしてくれ。ついでにベイスターズ、もうちょっとでいいから横浜高校みたいに騒がれる存在であって欲しい…。

by yokohama0616 | 2011-08-20 00:36 | 日常