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文学のいくつかのネタについて

 これまたお久しぶりでごんす。最近はPCも新調して絶好調。そろそろ何か書くかな、と思った次第。しかしこの1,2カ月パソコンをそれほど開かず、とくにインターネットを使うこともなかったのだが、なかなかいいものだったね。インターネットもあれ見て、これ見て、とつい長々と使ってしまうことが多く、時間をだいぶ費やしてしまうことも多々あったもので。それに比べるとネットをやらないと色々と時間が増えるもんですね。パソコンは復活したのにもかかわらず、昔ほどはパソコンに触れていませんね。以前は使いすぎていたなあと思うばかり。1週間くらいしたら長時間使うようになっているかもしれないけれども。

 そんなわけで、ってわけでもないのだが、中学生以来くらいに谷崎潤一郎の『猫と庄造と二人の女』を読んだ。当時は猫を飼うはおろか、触ったこともなく生きていたけれど、猫と触れたことのある現在だと、これまた楽しく読めた。猫というのはどうしても人間よりも立場が上になるんですな。この小説の中ではどの人間よりもリリィが偉い。

 そうそう、インターネットもやらずブログも書かなかった間に文学に関してネタが二つ。ひとつはノーベル文学賞、村上春樹がまたも獲得ならず。私は決して村上春樹の熱心な読者ではないけれど、ノーベル賞がどうのこうの言う必要もないでしょう。ノーベル賞作家でこの人は、とおもう人なんてそれほど思い当たらない。もちろん文学者としては立派な人も多いだろうけれど、個人の好みを別にして文学に何かしらの革命的なことを成し遂げたような人といえば…フォークナーとベケットくらいじゃねーか?それこそ日本人だと海外評価や時代も含めると谷崎がとっていないことが不思議でならん。谷崎に賞を与えられず、川端と大江に賞を与えている時点で賞の格は落ちている。というわけで、村上春樹さんは気にしないように。あなたに日本文化や様式を感じさせる作品なんて書いてほしい読者はいないだろうし。相変わらず日本らしさなんてものに関わらず、どこが舞台かよくわからないような作品を書いていってくださいな。(こんなブログ読んでいるわけないだろうけど)

 もうひとつの大きなニュースは丸谷才一死去。以前にこのブログでも触れましたね。私にとってはジョイス作品に触れるのにとてもお世話になった。どう考えても彼の影響なくジョイスに触れたことはないだろうし、おそらく戦後の日本で、彼の影響なくジョイスに触れる稀有な機会を得た人は少ないだろう。そして今週は彼のエッセーを読み返したりしていました。個人的にはエッセー集の中では『男のポケット』が一番好きである。しゃれっ気があり、面白い。散歩していると犬が近づいてくるので「やや、この犬は人の高貴さがわかるんだなあ」と一人合点したのち「よくよく考えると自分はそれほど高貴ではない」などと結ぶような技術は見事(この件は『男ごころ』の出典だったと思うが)。小説では『笹まくら』。考えてみれば、年に一度くらい読んでいる。合掌。

by yokohama0616 | 2012-10-25 23:12 | 時事