人気ブログランキング |

Duke Ellingtonについての備忘録

最近エリントンの音楽に触れる機会が多かった。というかそういう機会を作ったのは自分なのであるが、様々な意味で多く考えさせられることになった。

エリントンはもちろん黒人である。そして彼の音楽はいわゆる黒人音楽を想起させる、独特の響きを用いるのだが、ただそれだけで終わることはない。一音をきらりと光らせる情緒を感じさせるハーモニー、そしてユーモアあふれる展開。様々な要素がお互いを殺しあうことなく調和している。

これを行ったのが黒人(=エリントン)ということが注目に値する。昨今の白人、あるいは他の有色人種が「黒人音楽らしい要素を取り入れよう」などと、いわば黒人音楽の要素(と呼ぶべきもの)をかすめ取ったわけではないのだ。そして今まで当然のようにクリシェ的表現で「黒人音楽」と語っていたが、エリントンは「黒人音楽」を成立させた部分を多く担う人物でもある。「黒人音楽」を作り上げた人間でもあるのにもかかわらず、現代の一人間に「ただの黒人音楽ではない」と思わせる魅力はどこにあるのであろうか。

エリントンの音楽は陳腐な表現になるが、「人間らしい作品」なのかもしれない。血、色気、茶目っ気。これは人間に携わる性格(Character)そのものなのではないか。もちろんエリントンの性格や言動などは知ったこっちゃない。本人が気取ったイヤミな人間であろうが、金にうるさい人間であろうが。

20世紀前半の作曲家であるバルトーク、ラフマニノフなどは自らの民族性を強く意識し、それらを音楽に反映させた。(例えば、バッハやベートーベンなどは自分達の民族性を20世紀以降の人間達より感じたことはなかったであろう。彼らにとってドイツはドイツであり、他の国々、極東の島国の存在など知らなかったかもしれないのだ。歴史的に見て、当時はまだ世界が現在の世界でなかったのである)では果たして、バルトークやラフマニノフと少し後輩の世代であったエリントンはどれほど自らの民族性を意識していたのであろうか。アメリカに住んでいた黒人という社会的立場はエリントンに対してどのような心理をもたらしたのか。

あくまで予測だが、バルトークやラフマニノフが民族性を意識していたのに対し、エリントンは無意識のまま民族性を顕現することができたのかもしれない。これは論理的理由など特にない、ただの直感である。
(念のためだが、バルトーク・ラフマニノフとエリントンの音楽を比較するつもりも、エリントンの方がすごい、というつもりは毛頭ない。そもそも比較する意味がない。私が関心を持っているのは彼らの姿勢と意識についてである)



とここまで書いたら、ジャン・バティスタ・ヴィーコさんの書物を思い出し、無性に読みたくなってきた。というところで一応今回は終わり。

# by yokohama0616 | 2010-08-15 01:55 | 芸事

プルーストの質問集

プルーストという愛すべき作家が幼い頃に(!)自問自答している質問集に対して、自己紹介がてら答えてみようと思います。
現在でもフランスでは、(テレビやラジオなどで)政治家や役者などには向けられる質問集と聞きました。すごいですね、プルースト。

1 あなたの性格において一番の特徴は?

欲が多い

2 男性に求める美点

女々しさ、近寄りがたさ、諦念

3 女性に求める美点

雄々しさ、媚態、諦念

4 私の友人たちにおいて一番評価する点

評価したり、されないのが友人です

5 私の一番の短所

稚拙な楽観的、悲観的なイメージを容易に抱いてしまうところ

6 私が一番力を入れていること

自己分析、仕事、精神の運動

7 私が夢見る幸せとは

幸福・不幸という概念すら意識しないこと

8 私にとっての「不幸のどん底」とは?

想像できないものが「どん底」でしょうよ

9 私はこういう人になりたい

どのようにしても自分自身なのだから仕方ない。イメージも特になし

10 住んでみたい国

特になし。住めば都

11 好きな色

青が混じっているのが好きなようです

12 好きな花

キンモクセイ

13 好きな鳥

特になし。鶏肉は好きです。

14. 好きな作家(散文の作品)

ジョイス、フロベール、プルースト

15 好きな詩人・戯曲作家・映画監督(追加しました)

ボードレール、ポー、式子内親王
シェイクスピア、デュラス、ベケット
小津安二郎、タルコフスキー、ベルイマン

16 わたしにとってのヒーロー(フィクションで)

レオポルド・ブルーム、スティーヴン・ディーダラス(以上ユリシーズ)、フレデリック・モロー(感情教育)

17 わたしにとってのヒロイン(フィクションで)

モリー・ブルーム(ユリシーズ)、アルベルティーヌ(失われた時を求めて)、アルヌー夫人(感情教育)

18 好きな作曲家

バッハ、ベートーベン、モーツァルト

19 好きな画家

フェルメール、モネ、ピサロ

20 私にとってのヒーロー(現実世界で)

特になし

21 私にとってのヒロイン(現実世界で)

特になし

22 私にとってのヒーロー(歴史の中で)

親鸞、大杉栄、E.W.サイード

23 私にとってのヒロイン(歴史の中で)

歴史に名を残さぬ人達

24 好きな名前

好きな、あるいは敬意を払っている人、物の名前であることは間違いないです。
特に意味があると思えません。

25 何よりも嫌っていること

愚かさを悪徳としか見なさないこと

26 歴史上の人物で最も嫌っている人

意識的な意味での権力者

27 軍事活動のなかで最も素晴らしいと思うのは

一切思いつかない

29 自然の力の中で手に入れてみたいもの

雄々しさ、しぶとさ、爛漫さ

30 どうやって死を迎えたいですか

苦しまず、誰も苦しめず、さほど悲しませず

31 今の精神状態

あまりに時間がかかってしまって疲れとストレスを感じている。

32 過ちの中で、これだけは許せるなと思うのは

過ちは個としては存在しない。すべては状況による

33 座右の銘

難しいという言葉は虚妄である。ただ「できる」か「できない」しか存在しない。

**********************************
疲れました…。こんなに時間がかかるとは思わなかった。それに一応プルーストさんの答えも知っているわけで、余計書きづらかった。たくさん名前をあげていくのも面倒なので、3つ程度までにしぼりました。するとまたしぼるのに時間をかけてしまったり。
しかしまた10年後くらいにやりたいものですね。その頃の答えと比較してみたいものです。

# by yokohama0616 | 2010-08-12 21:30 | 自己紹介

挨拶

何年か前、まだブログという言葉が流行るよりも前に、インターネット上で日記を書いておりました。
原稿用紙1枚ほどの量をなんだかんだで毎日書き続けており、中身も好き勝手なことを思うままにやっておりました。そのまま好き勝手にやめてから現在に至ります。またなんだかんだと書いてみようと思います。

# by yokohama0616 | 2010-08-12 01:46 | 自己紹介